出来事

それは週末の
近所の商店街での出来事だった。

結構な人ごみのなか
可愛いミニチュアダックスを連れた
男の人が・・・

突然、歩くのを止めたダックス君
とその次の瞬間
連れていた男の人は
すごい勢いで
ダックス君を抱え上げたのだ。
それはまるで、砲丸投げの選手のように
男の人を軸にダックス君が弧を描いて
飛んで行ってしまいそうな勢いで・・・
と、その時
ダックス君から
梅干しくらいの大きさの茶色い物体が
放たれたのだった。
ダックス君を抱え上げた時のすごい勢いが
その物体に勢いを与えた
その物体が宙を飛ぶさまはスローモーションで
私の目に飛び込んだ
その物体は
私の目の前
１mの場所に着地したのだった。

それは・・・うんち　だった。

あの人ごみの中
あの勢いで飛んだうんちが
誰にも当たらなかった奇跡。
そして
一番当たる確率が高かったであろう場所にいたのが
私だったという事実。

それは週末の
近所の商店街の出来事だった。