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コダクローム [お気に入りのもの]

フィルムで写真を撮っていたころ
一時期、常用していたフィルム“コダクローム”
コダック社のリバーサルフィルム(ポジフィルム)だ。


外式と呼ばれる特殊な現像をするフィルムで
当時、東洋現像所(現イマジカ)でしか現像出来ないフォルムだった。
(リバーサルフィルム=現像するとスライドになるもの)

独特の深みのある発色と
35mmフィルムでは群を抜く粒状性で(質感の再現が素晴らしい)
プロの写真家の愛用者も多い、素晴らしいフィルムだった。

コダクロームの写真を初めて目にしたのは
まだちいさな時だった。
親父が海外出張の時
間違えて買ったフィルムの現像が上がって来た時だ。
当時、良くある話で
海外ではカラーフィルムはリバーサルフィルムが一般的で
ネガフィルムを買わずに間違えて買った人が多かった。
親父が撮って来た外国の写真を早く見たくて
現像所から上がって来た袋を開けたら
小さな箱が入っていて・・・あれ写真は?
と思ったのを憶えている。
箱を開けると、スライドが詰まっていた。
光にかざして見たスライド写真は
今までに見た事も無い
深みのある素敵な赤の発色
気持ちのいい緑の発色をしていた。
それは鮮烈に脳裏に焼き付いたのだ。

大きくなって
本格的に写真を撮り始めるようになって
あの時の親父の撮って来た写真を思い出し
タンスの奥から探し出した。
スライドのマウントには赤い字で“Kodachrome”
と印刷されていた。
それから使うフィルムは“コダクローム”になった。
素晴らしいフィルムだったのだが
唯一問題だったのが品質のバラツキ
他のフィルムにくらべ
発色や感度のバラツキが大きく
使う側は非常に悩まされた。
良い発色のする乳剤番号のフィルムを見つけたら
大量に買い込んでストックしたものだ。
その後、プロ用の品質管理が厳密化された製品が出て
随分とバラツキはマシになったのだが
国産、富士フィルムの“フジクローム”が
どんどん素晴らしいリバーサルフィルムを発表
発色はちょっと派手派手しかったが
抜群の粒状性と安定した品質で
私の常用フィルムも“フジクローム”に置き換わった。

そして、写真はデジタルに・・・

久しぶりにコダクロームを買ってみた
久しぶりにフィルムで写真を撮ってみよう。

現像から上がってきたスライドを
光にかざしたら
またあの素敵な赤、気持ちのいい緑に会えるだろうか・・・


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